大友克弘GENGA展

5月7日、外神田の3331で開催中の『大友克弘GENGA展』に行ってきました。

この展覧会、厳しい入場制限が課せられています。この日は出発直前に至急返事を書かなきゃいけないメールが飛び込んできて、半ば入場をあきらめつつ家を出たところ、交通の便がスムーズに進んだおかげで、なんと開場10分前に到着。よかったー。

そして原画展もよかった! 大友氏は原稿をホワイトで一切修正しないのです。ホワイトは不要になったセリフや枠外の汚れを消すだけにとどめ、ペンとベタ、トーンだけで描かれていました。

漫画家さんの原画展には何度か足を運びましたが、どなたもコマのどこかにホワイト修正があり、油絵の具のように盛り上がったホワイトの上に、少女漫画の星入りの目がきれいに描いてあったのには逆に感動しました。それだけに大友氏の描く線の迷いのなさは、ほんと、怖いほどです。線がぶれたら最初からやり直していたのだろうか。あの細かい線の上から消しゴムをかけるアシスタントさんは心臓が破裂しそうなほど緊張してたのではないだろうか――漫画を描いていたひとりの素人として、その丁寧な仕事ぶりに驚嘆しました。

FB友から事前に情報を得てはいましたし、平日の昼間だったからかもしれません。観客は美大生風の若い人が大多数でした。『ハイウェイスター』や『ショートピース』をリアルタイムで読んだ世代はわたしたちだけだった……。

大友作品は初期のものが好きで、『童夢』や『AKIRA』は(ビッグになりすぎちゃったなあ)と、あえて読まなかったものですから、今回原画を見てあらためて自分がなんてアホだったか思い知りました。

一般展示が終わると、撮影許可エリアに出ます。
有名な金田のバイク

童夢』の名シーン

(画像はkenちく小考さんよりお借りしました)
が再現できる壁。

どちらも人が乗ったり壁にへばりついたりできるのですが、あえてトライせず。

最後に宮城県出身の大友氏発案による、入場料の3分の1を東北の復興に取り組む6つのNGOに寄付するコーナーへ。チケットの下半分が投票券になっていて、寄付したい団体の箱に券を入れるというもの。
どうぞ復興がつつがなく進みますように。