映画『裏切りのサーカス』と写真展@ポールスミス丸の内

5月5日、遠方より友来たる。久しぶりに都心に出たので、丸の内と有楽町に向かいます。どうしても劇場で観たかった『裏切りのサーカス』と、ポールスミス丸の内店で行われている同映画の写真展を観るためです。

久しぶりのポールスミスブティック。レディスものがありません。好きだったブランドだけに残念。
写真展の雰囲気はこんな感じ。


Paul Smith JapanさんのFacebookからシェアした写真です)

以前レディス売り場だったのでしょうか、がらんどうの2階を丸ごと写真展に使っていました。祝日なのに見物人はわたしひとり。静寂の中、ゲイリーとジャック・イングリッシュの写真を堪能しました。上映時間の関係上写真展を先に観ましたが、これから映画をご覧になるかたは、映画→写真展の順番で回ったほうが余韻が楽しめると思います。

さて本編。

密度の濃い映像美が予告編からも伝わってくるのでは。書庫の搬送用エレベーターの扉開閉、おもむろに電源が入り、乱数暗号を打電するテレックスのクローズアップなど、機械の動作をうまく使った演出、ブダペストイスタンブール、そしてロンドンの重苦しい空気と湿気が肌に乗ってきます。映し出される空は重く雲が立ちこめ、屋上のシーンは雲に押しつぶされるよう。

そして豪華なキャスト、ゲイリー・オールドマンジョン・ハートコリン・ファースの英国3大おっさん主役級メンツに、BBCテレビシリーズ『シャーロック』で一躍脚光を浴びたベネディクト・カンバーバッチ。『シャーロック』のときよりかなりバルクアップした様子。なにより驚いたのは、キレキレでテンション高い役が多かったゲイリー・オールドマンが抑えた枯れの演技を見せてくれたことです。普段の見た目は実年齢より10歳若く見える人が、実年齢より10歳は老けて見える役作りをしている。アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされたときは「?」と疑問に感じたわたしが馬鹿でした。これだけ頑張ったんだからゲイリーにオスカーをあげてもよかったんじゃないかな。

ちょっとネタバレかもしれませんが、ひとつだけアドバイスを。
グロいシーンが2カ所あります。グロが苦手なかたは覚悟の上でごらんください。となりの観客がかなりショックを受けていましたが、ハードなホラーが苦手なわたし的にはスルーできる程度でした。

原作:ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ[新訳版]早川書房 村上博基・訳


最後にひとつ知りたいことがあります。このビデオの25秒あたりで出てくる車、これってポルシェですか?