『罪悪』

翻訳ミステリー大賞&コンベンションから2週間。ようやく『罪悪』を読み終えました。

罪悪

罪悪

このエントリーでレビューした『犯罪』につづく短篇集です。

どうしてでしょう、前作ほどのめりこめませんでした。日常をミニマムな語り口で切り取る作風は前作と変わらないのに。

違和感は〈動機なき虐待〉から来るのでしょうか。具体名は挙げませんが、どうしてこんな理由で人がいたぶられ、殺されなければならないのか。それは前作も同じなのに、『罪悪』が取り上げるケースはわたしの心を重くするのです。辛くなって、本を置きたくなるのです。

『犯罪』のレビューで書いたように、フォン・シーラッハ氏の作品は人を選びます。『犯罪』では、ドイツへの移民、ドイツに働きに来た外国人、ドイツに滞在中のお金持ちと、“異邦人”の息吹がわたしを駆り立てていました。いっぽう『罪悪』は古くからドイツに暮らすゲルマン民族が主人公の作品が中心で、違和感はここにもあったのかもしれません。

ちなみに『犯罪』の原題はVerbrechen(犯罪)『罪悪』の原題はSchuld(有罪)です。Verbrechenのほうには「悪意がないのに結果的に罪を犯した」、Schuldは「罪として認定された」という違いがあるとか(ドイツ語は初級レベルですので、間違っていたらTwitterでご指摘ください<(_"_;)>)。厳格な違いがあるようには思えませんが、『罪悪』のほうが、弁護士フォン・シーラッハの存在感が強く感じられました。

翻訳ミステリー大賞授賞式&コンベンションに参加して(その4)

分科会では読書会とフランスミステリのお部屋におじゃましました。

読書会の課題はこれ。

生還 (角川文庫)

生還 (角川文庫)

アビゲイル(アビー)が意識を取り戻すと、見知らぬ男に囚われていた。監禁現場から脱出し、警察に飛び込んだはいいが、事件までの数日間の記憶を失っているアビーの証言をだれも信じない。消えた記憶をたどるうち、アビーは会社をやめ、ボーイフレンドのテリーとも別れていた。それよりも不可解なのは、面識のないジョーという女性とルームシェアを始め、アビーの私物がすでにその部屋に移されていたことだった……

はらはらどきどきの展開で、前の晩に前半を読み終え、本会開催前にあと100ページ弱というところまで読んで、うん、なかなか面白いと好印象を持っていたのですが、驚愕のラストに言葉を失いました。面白いと言い切っていいのだろうか。そんなもやもや感を抱きながら読書部屋へ。

司会はシンジケートのサイトでは“ふみー”でおなじみ、《ふみ〜、不思議な小説を読んで頭が、ふ、沸騰しそうだよ〜 略して3F》の連載を担当しておられる挟名紅治氏。仲間うちでは「ふみ〜の人」と呼んでいた挟名氏は、穏やかな好青年でした。読書会メンバーの発言をうまくさばき、途中で課題本の解説をはさみ、そうかー、読書会ってこんな感じで進むんだなと納得した次第です。

自己紹介をかねた感想披露の先頭を切ったのは、福岡読書会のスタッフをされている男性。とても面白く読めた、というまっすぐなコメントを聞いたとき、ひそかに(ああ、わたしの読書の目はすっかり濁ってしまった)と思っておりました。本を読む仕事をするようになり、ミステリが好きで読んでいたはずが、ミステリを売る側の目であら探しをしているのではないかと。せめて自分で楽しんで読む本は、売れる・売れないではなく、面白い・面白くないという目をとりもどそうという気づきをあたえてくださった福岡読書会の雑食さん、ありがとうございました。

そしてもうひとつ学んだこと。本は足で探せ。今回課題図書となったニッキ・フレンチの既訳書はアマゾンでも一部買えますが、都心の大規模書店で全部揃っていたとのこと。座業の翻訳者はついつい“ぽちっとな”で買ってしまうけど、まちの本屋さんはまだまだ在庫してますぜ、旦那。今日も地元書店をぶらついていたら、翻訳学校の先輩の新しい訳書が平積みになってました。がんばれ先輩(俺の本も1冊あったぜ)。

読書会の後はフランスミステリのお部屋へ。終了間際だったようで、10分程度お話を聞き、レジュメをいただいて帰りました。フランス読みとしては、休憩時間に物販で買ったポール・アルテ(平岡敦氏訳)の『殺す手紙』に平岡さんのサインをいただきたかったのですが、ですが……終了と同時に高野氏・平岡氏のまわりに人だかりができて、「サイン」なんて言える雰囲気ではありませんでした。11時には会場である旅館の玄関が閉まるし終電は迫るしで、後ろ髪ばんばん引かれながら会場を後にしました。

そしてお約束のように道に迷い、たどりついたのが春日駅。なんでやねん。それでも終電には余裕で間に合い、タクシー帰宅したところ……「明日は高尾山に登るから早く帰る」と言ってた家族がいません! わたしとはFBやTwitterで仲良しの《彼ら》と終電を逃す寸前まで飲んでいたとかいないとか(飲んでた)。いっぽう感動さめやらぬわたしは仕事に手をつけたり、『Glee』第2シーズンを観たりと、ついに徹夜です。だったら会場に最後までいたってよかったんじゃん。

というわけで、来年(こそ)は迷わず時間どおりに出席し、朝までミステリ話の末席に加わります。よろしくお願い申し上げます。

<了>

翻訳ミステリー大賞授賞式&コンベンションに参加して(その3)

読書地図がはじまりました。

【読書地図とは?】

  1. 書籍のタイトルをひとつ選びます。今回は翻訳ミステリー大賞授賞作『忘れられた花園』が選ばれました。
  2. 『忘れられた花園』と共通するキーワードを持つ作品を思いついたら作品名を書き、『忘れられた花園』との間に線を引きます。このとき線のどこかにキーワードを書くのを忘れずに。(例:花園つながりで『秘密の花園』、同じ作者なので『リヴァントン館』、オーストラリア発ということで『古書の来歴』……)
  3. 上の例で挙げた3作品にも、同じように共通するキーワードを持つ作品をつなげ、ようするに樹形図を書いていくわけです。

くわしくはTwitter上で読書地図を書こうという試み〈ツイッター読書地図@試運転〉さんのページを。

最初は(自分の読書量の少なさが露呈するこわいゲームだ)とおびえていたのですが、いざやってみるとさっきの不安はうそのよう。筆記用具を奪い合いながら(嘘)同じテーブルの人々と楽しくツリーを広げていきました。対角線上に位置する2作品が同じキーワードで結ばれたり、「執事といえばジーヴズだぁね!」と、ぞんざいに《ジーヴズ》だけ書いていたら、訳者さまじきじきに赤を入れてくださってたり(後日同じイベントに参加されたかたのブログを読むと、別のテーブルでも同じ教育的指導があったとのこと)。

大きな字で書いていたこともあり、いただいた模造紙いっぱいにツリーが広がったところで終了。つぎは別のグループのツリー見学会です。濃いっ! みんな濃い! 編集者、訳者はもちろん、博識なミステリ読みのかたがたが大活躍。どのツリーもたくさんの作品がおもいおもいの方向にみっちりと枝を広げていました。

『野獣死すべし?』
あるテーブルで疑問の声を上げたらすかさず「これはニコラス・ブレイクでしょう!」との声。そうだ、大藪じゃない同名の海外作品があったよ、あった! また逆に『新幹線大爆破』は高倉健主演映画だが、原作は海外の作品なのだと別テーブルでうんちくをたれてみたり。

企業研修でもパーティでも盛り上がるグループワークを経て、いろんなかたとお話できました。和気藹々のムードがさらに高まり、参加者はお目当ての分科会へと散っていきました。

今年のコンベンションでは、さっき読了した本の読書会に出て、途中からフランスミステリのお部屋に行く予定を立てていました。ほんとうなら宿泊してクイズと宴会まで楽しみたかったのですが、同窓会に行った家族が早く帰ってくるというので今回は自粛。11時には旅館の正面玄関が閉まるというし、これ以上企画を入れるわけにはいかないのです。

その4に続く(長いよ。でも次が最後だよ)

翻訳ミステリー大賞授賞式&コンベンションに参加して(その2)

サブタイトル:ポーの生首、または薄い躰のポー(違)

投票のもようはこちらでご覧いただけます。

田口俊樹氏のご挨拶に続き、司会の横山啓明氏が投票メールを一通ずつ読み上げます。票が入った作品の書影コピーの下にエドガー・アラン・ポーの顔を1枚ずつ貼っていくルールは昨年と同じです。モンティ・パイソンっぽい演出ですね。


(ピンぼけですぅ)

10票集まるとポーの顔(大)に貼り替えられます。


(悲しいほどピンぼけですぅ)

そして栄えある第3回翻訳ミステリー大賞は『忘れられた花園』に決定! 大賞受賞作にはポーの全身像のコピーを貼ります(写真ではわかりにくいので、上記リンクのUstreamでぜひご確認を)。このポー氏、身体が薄い上に紙ですから丸まっちゃって、薄い身体がますます華奢に見えるという。

忘れられた花園 上

忘れられた花園 上

忘れられた花園 下

忘れられた花園 下

写真ではわかりにくいでしょうが、1位は22票、2位の『犯罪』18票と競り合う形で発表は続き、最初は落ち着いて拍手していた観客から、だんだんと「うおっ」、「おおっ」という声が上がるようになりました。競馬の専門用語(門外漢なので意味不明)も飛び出すほどの盛り上がりぶり。壇上(壇はないけど)で訳者さんと編集者さんに賞状とトロフィー、花束の授与。おふたりとも大ベテランなのにとても奥ゆかしい。

こうして第1部は終わり、約2時間の休憩をはさんで第2部、読書地図がはじまります。雨の中、本郷三丁目まで歩いてなか卯でおうどん食べて、カフェ・ド・クリエでコーヒー飲みながら読書会の課題本を読了。なんじゃ、こりゃ? とラスト10ページに首をひねりながら会場に戻りました。

その3に続く。

翻訳ミステリー大賞授賞式&コンベンションに参加して(その1)

「勝手にレビュー」番外編、いや、これが本編ですね。

4月14日、翻訳ミステリー大賞授賞式&コンベンションに参加しました。

母校の同窓会に行くという家族につられて早めに家を出ました。外は雨。バスはきっと遅れるだろ――来た! 一本早いバスの到着に間に合い、その後も私鉄→地下鉄とスムーズに乗り継いで、会場には受付開始のだいーぶ前に到着(それでも30分はゆうに迷った。坂を登ったり下ったり。あほですかわたしは)。早く出てなにがしたかったかというと、夜に行われる読書会の課題図書をまだ読み終えていなかったので、どこか喫茶店かコーヒーショップでもあれば、そこに腰を落ち着けようと思ったわけです。

ところが東大前駅周辺に手ごろな場所はなく、東大前という名前のわりに東大は遠く、おまけに外は雨、しかもさんざ道に迷って服は濡れはじめ、寒いわふたたび迷ったら会場にたどり着けなかったりしてとかあれこれ考えてるうちに頭の中は真っ白になり、会場である旅館のガラス戸をがらりと開けてしまったのでした……。

受付やスタッフのかたがたに知った顔を見つけてほっとしたと同時に、彼女たちのきょとんとした表情から、おい、ちょっと早すぎないか? と、おもむろにやっちまった感にさいなまれました。取りあえず参加料を支払い、Twitterでおつきあいいただいてる某翻訳家さんに導かれ、地下の会場へ。

座布団の配置替えを手伝ったりしてから、壁際でちんまりと読書開始。ほかにもいろいろと翻訳家さんや編集者さんに気を遣っていただき、ああ恥ずかしい。それでも静まりかえった部屋の片隅で読書は進みました。あと100ページ。

そしていよいよ本会の始まりです。

まず、『パラサイト・イヴ』でおなじみ、作家の瀬名秀明氏と書評家杉江松恋氏の対談。時同じくして横浜ではSFのコンベンション“はるこん”が開かれていたのですが、お話が始まると同時に、わたしの中ではSFのほうに分類されている瀬名さんがこちらにいらっしゃった理由がわかりました。

瀬名さんの読書の原点は、ミステリだったのです。

お父様が研究者で、ご家族で1年間アメリカに滞在された経験をお持ちの瀬名さんは、中学時代から洋書に親しんでおられたそうです。高校時代に辞書を引き引き『ロッキー』を読むのがやっとだったわたしとはスタート地点から違います。ああ、大成するかたはやっぱ幼いころから違うんだなと、軽く肩を落とした瞬間でした。

クーンツ好きの瀬名さんがお宝を公開してくださいました。クーンツが70年代に書いていたというポルノ小説! (後のほうに座っていたかたによると、クーンツ本人がこの辺を黒歴史として回収しているとか)

このほか、小説推理に連載されていた『大空のドルテ』が完成間近だという(ただし刊行はむにゃむにゃ)耳より情報も教えてくださいました。

対談終了。休憩をはさんで、いよいよ翻訳ミステリー大賞授賞式です(その2に続く。写真の編集がありますのでしばしお時間を頂戴したく存じます)

犯罪

さて、翻訳ミステリー大賞もいよいよ今週末となりました。投票期限が本日12日まで延びたのをいいことに、レビューを書くのをさぼっていたら……

今回取り上げるこの作品

犯罪

犯罪

が、今年の本屋大賞〈翻訳部門〉第1位を獲りました。

うー、本屋大賞第1位のレビューなんて緊張するぜ。

                                                    • -

訳者あとがきも解説もなく、奇想な短篇十一作が収録されたコンパクトなハードカバー。この本が出ると聞いて(好きかも)と、発作的に反応しました。

というのも家族にドイツ語翻訳者がいること、わたし自身も二度、二度目は一週間ほどドイツに滞在経験があり、舞台がドイツというだけで親近感があったのです。基本フランス映画、フランス文学好きでもあり、ヨーロッパならではの救いのないストーリーや、落としどころのない、どっかにすっ飛ばされたようなエンディングに弱いのです。

で、一読して反応的中。タイトルが『犯罪』だし、実際に起きた事件を下敷きにした小説ですが、登場人物たちが犯罪に手を染める、巻き込まれる、その過程がコンサイスに語られ、無駄がありません。救いのない話もあれば、主人公の賢い行動に胸がすく掌編もあり、あっという間に最後まで読み終えました。一気に読み切れるボリュームというのも人気の秘訣かもしれません。集中すれば数時間で読了できて、持ち歩くにしても軽い(Kindleより軽い!)ハードカバーって、最近では珍しくありません?

なんか褒めてばかりいて、「ステマ?」と思われそうですが、クセのある本です。「わたし、こういうのはちょっとねー」と感想を漏らした知人は数名います。合わない人には徹底的に合わない、その代わり、はまったら最後、この本のとりこになってしまうという、あえて誤解を恐れずにいうなら“人を選ぶ”本だと思いました。

そんな『犯罪』が本屋大賞第一回翻訳部門第一位を獲ったというのは、この本のとりこになった書店員さんが多かったということでしょう。買うのに躊躇しない価格設定、先ほど書いたとおり、短篇で読みやすく、かばんに入れても重くない装丁は、マーケティング的観点でも好意的に受け取られたかもしれません。

訳者の酒寄進一氏の無駄のない訳文も本書の魅力にひと役買っているはずです。さきほど、訳者あとがきがないと書きましたが、酒寄氏とフォン・シーラッハ氏との交流、まるで『犯罪』の一篇のような去年三月のできごとについては、東京創元社のサイト『Webミステリーズ!』の〈ここだけのあとがき〉前編後編をご覧ください。

                                                                    • -

と・い・う・わ・け・で――
翻訳ミステリー大賞勝手にレビュー、投票日ぎりぎりで完走しました!
(長かったよ『アンダー・ザ・ドーム』)

で、お前はどの作品を選ぶって? それを訊くのは野暮ってことよ……。

二流小説家

このミステリーがすごい!』『週刊文春ミステリーベスト10』『ミステリが読みたい!』で1位を獲った話題作を読みました。

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

あまのじゃくなわたしは、この“三冠”がひっかかり、あえて読まずにいました。こういうことがなかったらスルーしていたかも。ところが読んでみたら、己のあまのじゃくと食わず嫌いを後悔するほどの面白さ。

ミステリ、SF、ロマンスと、売れるジャンルならなんでも手を出す(出さないと食べていけない)小説家のハリーに、とんでもないオファーが舞い込んでくる。依頼人は連続殺人犯として長年服役中のダリアン・クレイ。刑務所にファンレターを送ってきた四人の女性とダリアンとのポルノ小説を書いて欲しいというのだ。ネタはその後ハリーがどう使ってもいい――となると、これはベストセラーが狙えるかもっ! と速攻でオファーを引き受けてしまうのはハリーだけじゃないはず。

ところが会いに行ったダリアン・ファンクラブの女性たちがつぎつぎと残酷な手口で殺されていきます。獄中のダリアンが手を下せるはずもなく、そんな依頼をハリーが疑われることになり、ハリーは執筆をそっちのけで、宿題代筆のアルバイトで知り合った女子高生のクレア、ダリアンの犠牲となった女性の双子の妹でストリッパー(ボールダンサー)のダニエラとともに、犯人捜しに乗り出すのですが……。

そう、二流小説家は仕事をしないと生活が成り立ちません。ちゃんと書いてるよという証拠のように、ハリーがいくつものペンネームを使って書いている小説の一節がメインストーリーに挿入されています。これがまた、“いかにも二流臭”のするものばかり! 著者ディヴィッド・ゴードン本人が楽しんで書いているのが伝わってきます。わたしのお気に入りはSF。いまどきセクサロイドって、愛奴って。

ハリーがいきなり「きみたち読者は」と呼びかけてきたり、こういうくすぐりは嫌いじゃありません。むしろ大好きです。ただ、本編といえるダリアンとの契約やら殺人の手口やら、ストーリー展開はそんなに斬新とは思えませんでした。ジャック・カーリィにハーラン・コーベン風味を効かせたみたいな感じで、うーん、またかというのが正直なところ。おませな女子高生とセクシーなボールダンサーの両方から慕われる中年ファンタジーも、ああ男の人ってこういうシチュエーション好きなのねぇ……と、覚めた目で見てしまったり。

とまあ、さんざんこきおろしておいて、エピローグは妙に気に入っています。エログロ・ドンパチ、ラブコメがひと段落し、余韻のある終わり方だと思いました。

                                        • -

未読4冊のレビューが終わり、最後に既読の『犯罪』のレビューを書いたら「翻訳ミステリー大賞二次投票」候補全作制覇! しかーし、〆切は明日31日。書けるのか?>自分